看護師便り

東京都済生会向島病院、看護部のブログです。看護師が交代で日々の出来事や想いをお届けします。

看護師便り 4月は初心を思い出させてくれる大切な月

2022年04月08日

いつも、看護師便りを見てくれてありがとうございます。
新年度を迎え、通勤電車では、新しいスーツを身にまとった新社会人。そして当院も4月1日に新たな仲間を受け入れました。4月は皆さんにとって、どんな月でしょうか。

 

さて今回は、4月に私が新人看護師を対象に毎年行っているワークショップについて書きたいと思います。当院では、毎年オリエンテーションを終えて、明日から本格的に臨床で看護師としての一歩を踏み出す新人看護師を対象に「臨床前ワークショップ」というのを開催しています。

 

この研修は、目指す看護師像を言葉にして、対話しながら目指す看護師像を具体化させていくことを目的にしています。臨床にでてすぐは、覚えることも多く「やること」だけに目が向きがちです。もちろん、業務を覚えて行くことは大切なことではありますが、何のためにその業務を覚えるのか!を大切にして欲しいと思っています。

具体的には、「どんな看護師になりたいですか?」との問いかけからスタート、1年後や3年後の自分をイメージしてもらいます。そして、なぜそう思ったのか、自分が描いている看護師になるためにどんな技術を身に付けるのか、どんな立ち振る舞いをするのかを言葉にしてもらっています。

多くの病院では、技術チェックリストを使って、新人の成長を把握する目安としていますが、単にマスを埋めていくというようなことに陥りがちで、それでは役に立ちません。なぜその技術を身につけるのか?身につくと目の前の患者さんに何をしてあげられるのかを考えて欲しいと思っています。

 

そして1年後、参加した1人1人へ手紙を書いています。1年前にそれぞれが書き記した「目指す看護師としての姿」を見直しながら、1人1人に問いかけるように書いています。最初の1年間は、新たな知識・新たな技術・新たな患者さんとの出会いなど成功と失敗を繰り返してきたと思います。つい、出来ていないとこにばかり目が向きがちですが、この1年間で出来るようになったことにも目を向けて、1年の頑張りを褒めつつ目指す姿に近づいていることを実感して欲しいと思っています。もし目指す姿に距離を感じたら、今から直せばいい、そんなことを書いています。

 

そんな私にも1年生の頃はありました。毎日必死でした、院内でも群を抜く厳しい部署でした。友人や先輩から「かわいそうに・・」とまで言われましたが、私の経験において欠かせない部署となりました。当時、私が描く姿は「『○○さんのような看護師になりたい』と言ってもらえる看護師になる」でした。そのために何を身につけるのか、どんな立ち振る舞いをするといいのかを考え実践してきました。そして毎年4月、今の自分を見つめ直す機会としています。

皆さんにも、立ち止まる機会はありますか?私にとっては、4月は毎年初心を思い出させてくれる特別な月です。

 

看護部長  佐久間 あゆみ

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