看護師便り 学会へ参加して気づいたこと
2023年10月25日今年の夏は猛暑が続きましたが、やっと秋が過ごしやすい季節になりました。
秋といえば、読書の秋、食欲の秋・・・。そして学会も全国で多く開催されています。
2つ学会に参加したのでご紹介したいと思います。
年に1回開催される学会の学術集会は、これまで現地開催が当たり前でした。2020年以降は、新型コロナウイルス感染拡大の影響にて、Web配信で開催されるようになり、最近では現地開催とWeb配信(LIVE配信やオンデマンド配信)によるハイブリッド開催が広がりました。特にオンデマンド配信は、学会によりますが約1~2か月程度視聴期間があり、現地での参加が難しい場合や、現地では聴講できなかった講演や演題発表などを期間中に何度でも繰り返し視聴することができます。また、時間が重なりどちらを聴講しようかという悩みも少なくなりお得感が増しています。
9月23日(土)、24日(日)に、第28回日本糖尿病教育・看護学会学術集会(in岡山)に参加しました。「晴れの国おかやま」といわれるだけあって、前日までの雨がすっかりあがりよいお天気に恵まれました。Web参加者も含めて3500人の参加がありました。この学会は、臨床の看護師が多く入会しており、一般演題は、研究報告はもちろんですが、実践報告も多く発表されたり、認定看護師や委員会等による交流集会もたくさん行われています。交流集会では、テーマをもとに参加者が意見交換を活発に行います。全国の臨床の看護師がたくさん集まりますので、それぞれの地域での取り組みなどを知る機会となります。
私が参加した交流集会は、委員会セミナーで「インスリン療法を行う高齢糖尿病患者さんの支援~高齢糖尿病患者さんの問題を知り、病院と地域の連携を深めよう~」というテーマで、事例をもとに参加者の皆さんと意見交換を行いました。糖尿病を持つ高齢患者さんにとって、年を重ねていく中で、認知機能の低下やADLの低下に伴い、これまでの生活を維持することに苦慮することが多くあります。特にインスリン療法を行っている場合には、安全に一人で続けることが困難になり、急に高血糖や低血糖の状態になることも少なくありません。高齢者施設や訪問看護ステーション、病院で勤務する看護師などが5~6人のグループになり意見交換を行いました。お互いに悩みを共有し、それぞれの地域で工夫していることを共有することができました。
当院ではたくさんの高齢者の方が通院をされます。地域で安心、安全に暮らすことができるよう、病院や地域の多職種の方々と連携を取りながら工夫をしていくことの大切さを実感しています。
もう一つ、同時にオンデマンドで参加している学会があります。オンデマンドでは講演などを聴講するスタイルとなるため、新しい知見を得たり、これまでの実践を振り返ったり自分自身の内省に役立ちます。
第17回日本慢性看護学会学術集会に参加しました、会長講演では「慢性病の人は“自分では思い通りにならない身体”があり、“ままならなさと隣り合わせ”の中で生活をしている。“積み重なっていく”長いプロセスで学習した“その人なりのやり方”を身につけ、“病気とうまく付き合っていく力”を携えていく。」と慢性病を生きる人の力強さをわかろうとすること、一方、すべてをわかることは難しい、だからこそわかろうとする努力を続けることが重要である。」と慢性病の人とのかかわりかたについての内容でした。本当にそうだなと改めて再確認をすることができました。
また、基調講演の中で、「“患者のことをわかろうとすること”、”わかりたいと思うこと“、”患者にとってわかられたくないことがある“ということを大切にする」というお話にもうなずきました。
教育講演では、“病いの慢性性/Chronicity”について、病気が慢性に経過をするということは、多くの場合その人の人生の終わりまで続くこと、多様な困難性と複雑性に生活の中で懸命に、24時間、365日対応しなければならない。日々の生活を営み続ける人々を“生活者”としてとらえ、病と共に生きることへの支持的支援が重要であるとのお話でした。これまでにこの講師のお話は何度も、何度も聴講しているにもかかわらず、毎回、“うん、うん、そうだ、そうだ・・・”とうなずきながら聴講しています。
当たり前のことだからこそ、わかっていることだからこそ、このような講演を通してあたらめて、自分自身を振り返ることが大切だなと思っています。
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