ホーム >  病院について >  ご挨拶

ご挨拶

 恩賜財団済生会は、明治44(1911)年に明治天皇の「恵まれない人々のために施薬救療による済生の道を広めるように」との済生勅語に基づいて創立された本邦最大の社会福祉法人です。約6万6000人の職員が40都道府県で保健・医療・福祉活動を展開しています。済生会には現在、83の病院、支部東京都済生会には向島病院と港区にある中央病院の2つの病院があります。

 向島病院は、大正11(1922)年に元寺島警察署内に東京都済生会寺島出張診療所として開設、昭和14(1939)年、向島診療所として現在地に移転以来、地域の皆様とともに歩んでまいりました。診療所が戦災により焼失した当地に昭和23(1948)年、国及び都の補助金、地域の有志の方々のご寄付・ご厚情により病棟を新築し、東京都済生会向島病院と改称、増改築を繰り返した後、平成22(2010)年、新病棟が稼働し、現在に至っています。

 当院は、その規模・機能、特徴、地域性を鑑みて果たすべき役割を5つの大きな柱①かかりつけ医機能②中等(度)症までの緊急疾患、亜急性期、後急性期対応③高齢者の生活機能の改善・向上・維持を支援④在宅療養の支援⑤生活困窮(社会的支援を要する)者の支援、として掲げ、環境設定を行なってまいりました。病床の半分について、2024年度に国の入院医療の見直しで10年ぶりに新設された病棟単位「地域包括医療病棟」の施設基準の届出をいち早く致しました。これは、救急患者などを受け入れる体制を整え、リハビリ、栄養管理、入退院支援、在宅復帰などの機能を包括的に担う「治し、かつ生活を支える」医療を提供する病棟単位です。施設基準要件はとても厳しく、医師、看護師は勿論ですが、リハビリ、管理栄養士、栄養サポートチーム、入退院調整、地域医療支援センター、医事課など多くの職種の協力がなければ届出不可能なものです。多職種連携、チーム医療が向島病院の伝統であり、組織風土です。

 地域の診療所や在宅診療との病診連携、済生会中央病院をはじめとする高度救命救急、専門的医療を提供する病院や相補的な医療提供関係にある地域の病院との双方向性の病院—病院連携、介護事業・施設との連携を積極的に行っています。可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けていくためには未病対策、予防医療から始まり、シームレスな医療・介護・生活支援の連携体制を構築することが必須であり、地域包括ケアシステムの一員として、当院の果たすべき役割の大きさを認識しております。

 どのような生活環境にいる人たちにも、分け隔てなく手を差しのべる、という「済生の精神」に基づいて、向島病院多職種協働チームによるきめ細かな、患者さんに寄り添った医療を提供して地域に貢献して参りたいと思います。地域の皆様にさらに信頼される病院となるべく、職員一同一丸となり全力を尽くす所存です。どうぞご指導ご支援の程、宜しくお願い申し上げます。

東京都済生会向島病院
院長 塚田信廣


TOP